2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

タイアップラップソングの世界:アダムス・ファミリーとラップキャリアの終焉

(この記事のアイデアはYouTubeで活躍するレビュアーTodd in the Shadowsにインスパイアされたものです) アダムス・ファミリーを覚えている人は多いでしょう。当時観たという人も、レンタルやテレビでの放映で観たという人も、この映画にいい思い出を持ってい…

ゲーム系ラップソングの世界:ファーストパーティの場合

なぜかはわかりませんがゲームのCMでラップソングを使ってヒップでラディカルでクールに見せようとするのは、ゲーム機を作る最大手たちもやっちゃうことみたいですね。今回はアメリカから日本、ブラジルからフィンランドまで、世界中の事例を見ていきます。 …

奈美悦子 ”愛しているから” レビュー

SV-652 1967年発売 今回は「愛しているから」を取り上げます。 【A面:愛しているから】 作詞:茜礼子 作編曲:島田タカホ 当時の王道的歌謡曲とは異なった曲調で、なかなか個性的な楽曲です。奈美悦子のアイドル的魅力を上手く引き出していて、色っぽさも出…

For Sure "Always Busy - Single" レビュー

ニューヨークのインディバンドFor Sureのシングル"Always Busy"は、ロック色を残しながらも安らかなサウンドがいいものである。 [A面 "Always Busy"] 初期Weezerのような、歪みつつもメロディアスなギターを中心に置いた曲だ。ヴァースでのボーカルは浮遊感…

Bloc Party "A Weekend in the City" レビュー

このアルバムは陰鬱なロマンチシズムを、インディロック的でありながら大人らしい繊細さを持つ音で描いた素晴らしいアルバムだ。 このアルバムの根底にある音は、まぎれもなくインディロックだ。"Song For Clay (Dissapear Here)"や"Hunting For Witches"で…

チコとビーグルス ”遊びつかれた帰り道" レビュー

SV-821 1969年4月5日発売 今回は「遊びつかれた帰り道」を取り上げます。 このシングルレコードは、チコとビーグルスの2枚目のシングルです。 【A面:遊びつかれた帰り道】 作詞:藤本義一 作曲:奥村英夫 編曲:寺岡真三 前作の「帰り道は遠かった」と同様…

The Cult "Love" レビュー

このアルバムはダークでムーディな音と力強いサビを兼ね備えた、完璧とは言えなくとも素晴らしいロックアルバムである。 このアルバムの長所はその音だろう。80年代らしいビックなドラムと、クリーンでこれまたビッグなギター、そしてその中でも存在感を保つ…

タイアップラップソングの世界:NFS U2とGT7の場合

80年代にメインストリームになり現在まで人気が右肩上がりのものと言えば、ビデオゲームとラップだろう。その2つが交錯した瞬間も、たくさん見てきたはずだ。アメリカの大手ラップレーベルDef Jamが、これまた大手のゲームパブリッシャーのEAとコラボしつく…

Van Halen "1984" レビュー

Van Halenの代表作とも言えるこのアルバムはポップでキャッチーでイカしたロックアルバムだ。 このアルバムはとてもポップだ。"Panama"や"Hot For Teacher"など、シンプルかつ心を掴むロックソングは80年代だけでなくロック史のなかでも最上級のものだ。どの…

メンバー&ブログ紹介 2022年9月版

【ブログ紹介】 3人が好き~な感じのアルバムだったりシングルだったりをレビューしたり、音楽について語り合ったりするブログです。毎日午後五時に投稿します。内容は、基本アルバムやシングルのレビューで、火曜は対談、木曜は雑談などを行なう予定です。 …

Urusei Yatsura "We Are Urusei Yatsura" レビュー

グラスゴーのギークロック系バンドのデビュー作は、歪んだ音を掻き鳴らすインディーロックを名前負けしないポップさで彩った素晴らしい作品だ。 このアルバムの曲はとてもポップだ。最初の"Siamese"における声の掛け合いから"Kernel"の"Doo-do-doo-do-doo"と…

香月サコ ”赤い夕日” レビュー

SDR-1354 1968年6月5日発売 今回は「赤い夕日」を取り上げます。 【A面:赤い夕日】 作詞:水木かおる 作曲:城美好 補作曲:彩木雅夫 編曲:森岡賢一郎 チープな電子オルガン、こもったドラムとベース、GS風なエレキギターなどガレージロック的な魅力をもっ…

Justice "†" レビュー

このアルバムはジャンルの垣根を越える実験的な音とポップなメロディを兼ね備えた唯一無二の名盤だ このアルバムはジャンルに縛られない。もちろん根底にあるのはダンス/エレクトロであるし、当時のクラブシーンを反映したサウンドでもあるが、聴いてみれば…

酒井和歌子 ”青春通り” レビュー

SAS-1127 1968年6月発売 今回は、未公開映画のサントラ盤 ”青春通り” を取り上げます。 東京映画・東宝配給作品「大都会の恋人たち」の挿入歌のレコードです。このレコードは、小ヒットしたものの、この2曲が使われるはずの映画は、制作中止となり、結局公開…

Patricia Taxxon "The Flowers of Robert Mapplethorpe" レビュー

このアルバムは、ドロドロと渦を巻く感情をアグレッシブかつメランコリックに表現した素晴らしいアルバムだ。 このアルバムはいい意味でとても感情的だ。怒りや葛藤や喜びといったものが随所に表れているのは、このアルバムを一聴すればすぐにわかるだろう。…

Coven "Witchcraft Destroys Minds & Reaps Souls" レビュー

オカルトロックの先駆者的存在であるこのアルバムは、悪魔崇拝のテーマとキャッチーな曲作りが融合した、60年代ロックの隠れた名盤である。 このアルバムには、暗くオカルティックな雰囲気が立ち込めている。それは"Black Sabbath"や"Choke, Thirst, Die"、"…

深掘りジュークボックス 第一回 「地名の曲」

1つのテーマをもとに、楽曲を1人2曲選び、その曲について3人で語り合う企画を始めました。 今回のテーマは「日本の地名が入った楽曲」です。 1曲目:Air「Alone in Kyoto」スコット選曲 R:気づいちゃったんだけどさ、最後の方ずっと海の音だったじゃん。 …

Tom Scott With The California Dreamers "The Honeysuckle Breeze" レビュー

サックス奏者Tom Scottのデビューアルバムは良くも悪くも60年代感溢れる、スムーズなジャズアルバムだ。 このアルバムの評価はかなり難しい。というのもほとんどの楽曲がカバーだからだ。しかし確実に伝わってくるのはTom Scottの演奏能力の高さだろう。若々…

The Mighty Mighty BossToneS "Let's Face It" レビュー

このアルバムはキャッチーで聴いていて楽しい曲が多いものの、耳には残りづらいところが残念なアルバムである。 サードウェイブスカとバンドどちらもを代表するアルバムであり、このバンドが"The Impression That I Get"だけの一発屋でないことをしっかりと…

はっぴいえんど "THE HAPPY END" レビュー      

1985年6月15日、はっぴいえんど一夜限りの再結成ライブ。当時メンバー4人それぞれがミュージシャン、作詞家、作曲家として成功しており、多くの期待を背負ってのライブだった。その音源がこのアルバムに収められている。 1985年9月5日リリース。はっぴいえ…

集団行動 "集団行動" レビュー

このデビューアルバムはキャッチーかつポップであるが残念な点も多く見受けられるアルバムであった。 このアルバムの良かったと思う点は、全体的にポップで、それでいて爽やかなロックぽさもあることだ。"バイ・バイ・ブラックボード"のスムーズなリフや"AED…

ザ・サニー・ファイブ ”太陽のジュディー” レビュー

VP-3 1967年11月10日 【概説】 1967年、日本ビクターは、同時期に3つのグループを売り出しました。そのグループは、ザ・モップス、ザ・ダイナマイツ、そして今回取り上げるザ・サニー・ファイブです。モップスとダイナマイツが不良的、不健全なイメージだっ…

Röyksopp "Melody A.M." レビュー

ノルウェー出身のRöyksoppのデビューアルバムは、タイトでファンキーかつお洒落で幻想的なダンスアルバムだ。 このアルバムはとてもいいダンスアルバムだ。跳ねるようなリズムの"Eple"から静かでメランコリックな"Sparks"まで、収録曲すべてが、身体が勝手に…

ザ・バンドッグス他 ”グループ・サウンズのすべてBEST 12” レビュー

今回はケイブンシャから発売された「グループ・サウンズのすべてBEST 12」というフォノシートアルバムを紹介します。 このアルバムは、2枚のフォノシートによって構成されており、1枚につき6曲収録されています。 ジャケットや中の冊子には、寺内タケシとバ…