チコとビーグルス ”遊びつかれた帰り道" レビュー
SV-821 1969年4月5日発売
今回は「遊びつかれた帰り道」を取り上げます。
このシングルレコードは、チコとビーグルスの2枚目のシングルです。
【A面:遊びつかれた帰り道】
前作の「帰り道は遠かった」と同様に民謡の影響を受けた楽曲です。前作がヒットしたためか、「帰り道は遠かった」に似た部分が良く見受けられます。歌詞の「別かれ道」を二度繰り返す所や、曲のタイトル、そして曲のフレーズに似ている箇所があります。
ただ、前作にあったような勢いは感じられず、曲調も大きな変化がないため、淡々としているという印象です。フレーズや構成が「帰り道は遠かった」や「恋の歓び」(吉永小百合)に似ている分、新鮮味やインパクトはあまり無いです。
派手なイントロなGS的で、メインボーカル(硲千鶴子)の歌声は魅力があるので、GSや歌謡曲が好きなら楽しめるかもしれません。
【B面:いとしのジェニー】
楽器の数が少なく、音も厚みがないため、安っぽさは感じますが、哀愁のある曲調と歌声が素晴らしく、このグループの5枚のシングルの中では特に良い作品だと思います。ビーグルスのボーカリストとしての魅力を感じられます。サビの盛り上げ方が上手いです。
イントロが曲と余りあっていなく、単純で耳に残らない感じなので、イントロをもっと作りこんでいればもっと完成度が高まったのにと思いました。そこだけが惜しい点です。
【終わりに】
A面は「帰り道は遠かった」の二番煎じ扱いされていますが、B面は結構いい曲なので、気になった方は聴いてみて下さい。ただ、YouTubeでもSpotifyでも聴けず、レコードの流通量もあまり多くないため、簡単には聴けないという状態です。