奈美悦子 ”愛しているから” レビュー
SV-652 1967年発売
今回は「愛しているから」を取り上げます。
【A面:愛しているから】
作詞:茜礼子 作編曲:島田タカホ
当時の王道的歌謡曲とは異なった曲調で、なかなか個性的な楽曲です。奈美悦子のアイドル的魅力を上手く引き出していて、色っぽさも出そうとしたような部分もありますが、60年代後半から70年代前半の「お色気歌謡」、「セクシー歌謡」などと言われている楽曲に比べると、爽やかで聴きやすい感じに仕上がっています。
「あなた」という男性コーラスが若干違和感がありますが、そこもこの曲の魅力なのではないかと思います。
惜しい点は、ドラムの手数が少なくあまりにも単純な所です。そのために、演奏のバランスが少し悪く感じます。ノリの良い曲なのでドラムもそれにあった奏法ならば、もっと盛り上がる曲になったと思います。
【B面:星空のかなたに】
作詞:なかにし礼 作曲:大野正雄 編曲:島田タカホ
孤独な歌詞によく合った悲しげな楽曲です。地味ですが、メリハリの利いた演奏で、心地よいサウンドに仕上がっています。各楽器の演奏は、テクニックを重視せず、曲調に合わせていて、上手く歌を引き立てています。
音質は両面とも良くないですが、B面は各楽器の音が聴き取りやすいです。
【終わりに】
1967年12月というGS全盛期に発売されたレコードなので、GSっぽいサウンドになっています。 聴いただけでおおよその発売時期が分かるような曲なので、60年代後半の流行や雰囲気を味わうには最適なレコードだと思います。