ザ・スパイダース ”ザ・スパイダースの大進撃” レビュー

このレコードは、ザ・スパイダースの2作目の主演映画「ザ・スパイバースの大進撃」のサントラ盤で、EP2枚によって構成されている。1作目の主演映画「ザ・スパイダースのゴー・ゴー向こう見ず作戦」の主題歌は、シングルレコードとして発売されたが、それに対し大進撃の方の主題歌は、シングルではなくEPとして発売されました。

 

1967年12月というGS真っ盛りの時期に発売されたレコードで、後期のスパイダースのシングル曲に見られるような歌謡曲っぽさは無く、ロックバンドらしい楽曲が多いです。

ロック系の楽曲としては、「ヒア・カム・スパイダース」と「メラ・メラ」が魅力的で、ノリが良い演奏とテンションの高いボーカルが素晴らしい。

「もう一度もう一度」は、落ち着いたバラードで、優しさの感じられる歌声と切ない感じのメロディーが良いです。途中でフェイドアウトするのがちょっと惜しい。

「なんとなくなんとなく」は、シングル曲ですが、全く別の音源で、アレンジが少し異なり、歌詞が鹿児島弁に変わっています。シングル版と歌詞の内容自体は同じでも、雰囲気は大分異なっていて面白いです。

紫色の船は、短い分インパクトに欠けますが、王道のGSっぽさが感じられる曲です。

このアルバムの最初と最後に収録されている曲がこの映画の主題歌「夜明けの太陽」です。「あの時君は若かった」を派手にしたようなイントロと、ノリの良い曲調を持つ、映画主題歌に相応しい曲です。

 

モノラルで、音質はやや悪いものの、ザ・スパイダースの魅力がよくわかります。

全体的にノリの良い曲が多く、セリフもあって、聴いていて楽しいレコードです。