ザ・リンクス ”走れSLC57” レビュー

品番:H4R-8040

発売:1980年

ザ・リンクスは、1967年に結成されたバンドだ。このバンドをGSに分類するかは人によって分かれるが、GSとしたならばザ・キッパーズや寺内タケシとブルー・ジーンズのように70年代のGS衰退期を乗り越えたGSという事になる。

このバンドは、複数のレコードをリリースしているが、多くは自主制作のため、何枚リリースしたのかはよく知らない。ただ、1968年から1981年にかけて少なくとも4枚のシングルレコードをリリースしているようだ。1968年に「山口の夜」、1980年に「走れ!SLC57」、1981年に「我が青春の椹野川」、そして発売年は分からないが(80年代っぽい)新しい「山口の夜」が発売されている。

さて、本題の「走れSLC57/想い出のブルートレイン」だが

1968年の「山口の夜」はGS全盛期の録音の為、GSっぽさが多分に感じられたが、この「走れSLC57」は1980年の録音なのでGSっぽさは薄まっている。しかし、これと近い時期のタイガースやジャガーズの再結成時のレコードに比べると遥かにGSっぽいというのが私の印象だ。

 

【A面:走れ!SLC57(作詞:狗飼雪夫 作編曲:山根和明)】

防長文化新聞が1979年7月に募集した歌詞に曲を付けた楽曲で、小郡駅から津和野駅まで向かっていく様子が歌になっている。小郡駅という名称は、現在使われておらず、2003年に「新山口駅」に改名されている。

歌詞に登場する「やまぐち号」は、1979年に運行が再開され、現在も現役らしい。山口に行く機会があれば動いている様子を見てみたい。私の地元近くの北海道の神居古潭では、製造時期が違うがやまぐち号と同じC57型のSLが展示されており、それは何度か見た事がある。

4番まであるが、テンポが良く、演奏時間は短い。鉄道モチーフの歌らしく曲の始まりと終わりにSLの効果音が入っている。歌自体は短いため淡々としている感じもするが、掛け声や間奏があってノリは良いです。

 

【B面:想い出のブルートレイン(作編曲:山根和明)】

A面はSLの歌だが、B面は2015年に廃止されたブルートレインの歌となっている。

こちらはA面と違いインストで、ジャケット裏の説明によると、ステージでは歌っているが練習時間の都合でレコードではインストになったらしい。このレコードで歌は聴けないが、歌詞はジャケット裏に掲載されている。力のこもった演奏と美しいメロディーが魅力的で、B面にするのはもったいないような完成度の高い作品です。歌入りだとどんな感じだったのかが気になる。両面とも作曲と編曲をバンドのリーダーが担当している。

 

【終わりに】

このレコードの製作には、伊藤音響とOK無線が協力している。

伊藤音響はウェブサイトがあり、現在も営業しているが、OK無線はよくわからない。航空写真を見ると、OK無線スタジオのあった場所には古そうな建物があったので、建物自体は現存しているのかもしれないが、営業しているかが分からない。80年当時OK無線スタジオのそばに合ったホテル松政や山口信用金庫は変わらず同じ場所にあるようなので、機会があればそれを頼りに営業しているのか確認しに行きたい。