ザ・ガリバース ”赤毛のメリー”
久しぶりにブログを更新します。今回レビューするシングルは、ザ・ガリバースの「赤毛のメリー/ダークな瞳」です。
品番:EP-1114
発売:1968年7月1日
購入:2023年5月
[レコードについて]
ザ・ガリバースの1stシングルです。この曲の発売後に2度シングルリリースの予定があったものの、発売には至らなかったため、これが唯一のシングル盤です。
このレコードには、2つ折りの歌詞カード(ジャケット)とスリーブが付属しています。60年代後半の東芝は歌詞カードに説明文を書いたり書かなかったりしていますが、このレコードにはそこそこの文字数の説明文が書かれています。デビュー盤であり、GS全盛期でもあるため期待されていたのでしょう。
内容は主に、ウエスタンカーニバルでデビューした事、モンキーズを目標としている事、ブルーコメッツに師事された事、メンバーの紹介などです。売り出すために盛られた部分もありそうですが、ある程度は事実に沿って書かれてる様です。今ではあり得ないですが、メンバーの住所も普通に載ってます。
この時代は、実際にバンドが歌と演奏の両方を行っていても、演奏もしていることを示す記載がないレコードが多かったのですが、このレコードの歌詞カードや盤には「(歌と演奏)ザ・ガリバース」と記載されています。
[再発盤について]
このレコードは、「CULT GS 7inch Box Vol.1」というシングルレコード10枚入りのBoxセットの中の1枚として平成に再生産された物があります。この再発盤は割と再現度が高く、写真で見るとオリジナル盤と見間違えるような出来です。分かりやすい見分け方は、盤のラベルの右側に(17SUV-0004)と印刷されているかを確認する事で、印刷されている方が再発です。これよりも分かりやすい相違点は、スリーブのデザインが全く違うという点ですが、スリーブだけ当時物に差し替えられた再発盤を販売する人もいるので注意が必要です。
[曲について]
A面:赤毛のメリー
ワウペダルをリズミカルに使ったイントロから始まる。単純で技巧の凝らしたものではないものの、格好良くインパクトがあって良いです。歌のメロディーはキャッチーで、それに独特な世界観の歌詞が乗せられています。一応失恋ソングなのでしょうか。
サビへの繋ぎの部分が雑で、急に別の曲になったような感じがありますが、それもこの曲の個性となり魅力になっています。曲としてのまとまりがあるとは言い難いく現代の感覚で聴くと荒い仕上がりですが、勢いと演奏の安定感があるので退屈する事なく楽しく聴けると思います。
B面:ダークの瞳
テンポの良いカッティングと跳ねるようなベースにより,明るく軽快な曲に仕上がっている.と思ったらサビでいきなり曲調を変え、メロディアスな感じに変わる。軽快なだけの曲だとさらっと聴き流してしまうので、こういった変化があると印象に残りやすいです。A面に比べると転調までの流れが自然で、全体としてまとまりがあるように思います。
両面ともストリングスなどは無く、バンドのみのサウンドとなっています。音楽性に他のGSのシングルと大きな違いがあるわけではないですが、サウンドはガリバース特有の物があります。