最悪邦題を抱きしめよう:Vampire Weekend 「吸血鬼大集合!」
いきなり始まりそしていきなり終わる予感のある新コーナー、最悪邦題を抱きしめようのお時間です。記念すべき第一回はアメリカの名門大学からポロシャツを着て世界に飛び立ったバンド、ヴァンパイア・ウィークエンドのデビューアルバム"Vampire Weekend"の邦題、「吸血鬼大集合!」です。
これ、なにがダメかは言わなくてもわかりますよね?いや、たしかにヴァンパイア・ウィークエンドのデビューアルバムは遊び心と若々しさが溢れるポップなアルバムなんですよ。こんなちょっとふざけた感じのタイトル、付けたくなるのも、わかるよ。だからって、ねえ?これはないんじゃないですかって話。多分、ヴァンパイア・ウィークエンドのウィークエンドを、ジャケットにある感じの週末パーティだと捉えて、「大集合」なんて言葉にして、それで若々しさを「!」に託したんだろう。まあわかる。
けど理解できないのは、これ、全体を見て、読んで、声に出して、「よし!」なんて思ったことなんだよ。だってさ、一つ一つの部分はまあ許せるんだけど、全部通すとまあダサい。なんかレンタルでしか観れないようなB級ホラーのキャッチコピーみたいじゃない?それか、地元の町内会が頑張って企画したハロウィンイベントのチラシに場所を埋めるためだけに入れられた文章みたいじゃない?どっちみち、ダサいんですよ。
なんか、ヴァンパイア・ウィークエンドのヴァンパイア部分を訳した、いや残したのがいけなかったのかもしれない。吸血鬼って言葉のせいでB級感が5000倍になっている感じがありません?けど、ヴァンパイアのままだと、なんかトワイライト的なゴスバンドみたいになるし・・・。「血を吸うやつ大集合!」・・・?いや、それは蚊祭りじゃん。絶対元のタイトルを日本語訳した時点で駄目だったんだよ。そのままさ、「ヴァンパイア・ウィークエンド」で良かったんじゃない?ねえ?良かったよね???????それが嫌でも、もっとどうにかなったんじゃない???????ねえ???????
このアルバム自体は実際評価も良く、ヴァンパイア・ウィークエンドは2008年もっともホットなインディーバンドになりました。曲とかには全く邦題は付けられておらず(正直ケープ・コッド・クワッサ・クワッサってタイトルに対抗はできない)、さらなる犠牲は生まれませんでした。よかったねえ。その後のアルバムでどんどん評価を伸ばしていき、邦題も付けられずまともなタイトルばかり。そしてほとんどの音楽サイト(ウィキペディアですら)ファーストアルバムの酷い邦題を忘れ、彼らはポロシャツを捨て、カーディガンの似合う大人な音楽を演奏していくのでした・・・。ハッピーエンドだね。
追記:これについて調べている途中、アルバムの宣伝文句みたいなのもたくさん見たんですけど、「南国気分!」とか「脱力アフロサウンド」みたいなこと書かれてて、う~ん今見るとちょっと差別ちっくねって思ったりしました。実際彼らも当時そういう関連で批判されてたしね。