カバーバージョンの宝庫!テレビマンガ大行進
ジャケットや歌詞カードにはレオやチョビンなどの写真が使われていますが、中身は殆んどオリジナル歌手の音源が無く、カバー版ばかり。当時これを買った子供はテレビと明らかに違う曲達にがっかりしたかもしれないですが、マニアにはちょっと珍しい音源が聴ける事が魅力的です。
全12曲の中から印象に残ったもの5曲について書きます。
【ウルトラマンレオ】(子門真人 光の国児童合唱団) A面3曲目
いわずと知れた子門さんによるカバー版。カバー版である事を忘れるくらい違和感が無く格好良い歌声です。演奏は、楽器によってはアドリブっぽい所が有ってまとまりに欠けるような感じが多少ありますが、歌に注目して聴けばあまり気にならない。ただ、イントロが弱いです。
必要性を感じられないが、なぜかピアノがある。アドリブで弾いている感じだが、なんとなく手持ち無沙汰な感じがある。このアルバム全体に言えることではあるが、ドラムの音が軽いのが惜しい。
【戦え!ウルトラマン・レオ】(野村忠久 光の国合唱団) A面4曲目
オリジナル版よりも全体的にのどかで平和な感じがある。
イントロやAメロはいまいちな感じがあるが、Bメロの編曲はおしゃれで魅力がある。「ウルトラマン・レオ」では必要性の感じられなかったピアノもこの曲ではよく活かされている。
【ケンにいちゃん】(大和田りつこ) A面5曲目
このLPにあるカバー版の曲の中では、特にクオリティが高い作品。原曲に聴きなれていてもあまり違和感が無いと思う。弾むようなリズムが心地よく、メロディーも明るく懐かしい感じがあって良い曲です。
【戦え!イナズマン】(ロイヤルナイツ 光の国児童合唱団) A面6曲目
イントロなどにシャウトがあるのは原曲通りですが、弱弱しく、うーん…と思ってしまう。
ロイヤルナイツの歌声は良いですが、「うわぁ」というシャウトによって完成度をかなり下げているような気がします。演奏は、原曲に近づけようとした感じはあり、楽器の音も寄せようとした感じがします。
【ゲッターロボ!】(野村忠久) B面6曲目
原曲の力強さがなくなっていて迫力が足りない感じがある。TV版を聴いた事がなく、譜面だけを見て演奏されたのではと思うくらいかけ離れた雰囲気になっています。ややテンポが遅いです。か弱いイントロや、少しぎこちないアウトロも気になってしまう。
これの後にコロムビアレコードの原曲を聴くと凄く激しく感じます。
他の曲・・・
A面1曲目 はじめ人間ギャートルズ(ザ・ギャートルズ)
2曲目 やつらの足音のバラード(ちのはじめ)
5曲目 星の子チョビン(大和田りつこ CBS・ソニー児童合唱団)
終わりに・・・
おそらく時間や予算に制約があったと思うので、テレビのオリジナル版よりも出来が劣ってしまうのは仕方がないと思います。
ただ、「ウルトラマン・レオ」や「ケンにいちゃん」はTVで使われても問題ない様な出来で、このバージョン特有の魅力もあります。
ピンポンパン体操やげんこつ山のたぬきさん、星の子チョビンも普通に良い出来です。
パチソンと呼ばれてYouTubeなどで笑いものにされるような出来のカバー版は、このLPにはないので、そういうのを期待した人にはこのLPは物足りないかもしれないです。